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2004年6月28日(月)【5日目】

「I've queued at Wimbledon」
チケット販売まであとわずかな所で配られるシール
「確かにあなたは並びました」認定証

観戦2日目は、雨で一試合も行われなかったので、非常に残念な思いが増し「今回の旅行の第一の目的は?」というとウィンブルドン観戦。
このまま日本に帰ったならば後悔するだろうと、今日、予定していた市内観光を、明日に回し、「並んで、当日チケットを買って見るぞ!」と一大決心。
6:00am前に起き、朝食は列に並びながら食べようとレストランに寄り、パンやハムなどをちょっと失敬し、サウスフィールド駅へ、そして、歩いて会場へ。途中の芝生の広場には、すでに長蛇の列、早速、最後尾に並び、そこで、キューカードが渡される。何かいろいろ説明しているが、「無くさないで持っているように」というようなことを言っているらしい。あまり理解できなかったがカード゙にはナンバリングがされており、確かに自分は並んでいる、という証明と、横入り防止だろう。途中カードのチェックが3回あった。
7:40am のろのろとしか動かない列に続き、少しずつ歩き、途中の歩道で止まり、そのまま、その場でかなりの時間を待つ。
こちらの人は、慣れているらしく完全防寒でその場に座り込み、グループで会話をしたり、食事をしたり、持ってきた本をじっくりと無心に読んでいたりといろいろだ。
我々と言えば、突然の決定なので防寒のための準備などはしておらず、夏とはいえロンドンは少し寒い。しかも、日陰の側なので益々寒くなる。途中、温かいコーヒーを買って飲んだり、日向側に行って温まったりと、何とか切り抜けた。
しかし、「トイレはどうしているのだろうか?」後でわかったのだが、反対方向に簡易トイレがあったようだ。
イギリスは何でも辛抱強く並んで待つ国だ。地下鉄の切符、フィッシュアンドチップス、なんでも並ぶ。そして極めつけがウィンブルドンの当日チケットを買うための大行列だ。
9:10am ついに動き出すが
9:30am 又、止まる。再び動き出す。
キューカード

高いところの花に水遣り 並んでいる日陰側
新聞紙を掛けて防寒 日向側へ行って温まる

10:05am 歩道橋を降りるとキューシールが配られチケット売り場はもうすぐだ
後ろに見えてるのがNo1コート ちょうど開場時間の10:30am
ついにチケットをGet!
   当日チケット

ホテルを出てからここまで4時間あまり「今後、我が人生に、このような経験は二度と無いだろう。」とは言っても,
又、行きたいな。


ウィンブルドンテニス大会の入場券の販売ルートと購入方法を紹介しておこう

センターコート、No.1、No.2コートの試合は完全予約抽選制(2004年8月1日〜12月15日) 英国ローンテニス協会(LTA)へ手紙にてエントリーする。
ただし、非常に競争率が高く、前売り券入手の難しさといったら、宝くじを買うようなもの。当然、狙いは当日券ということになる。

窓口で当日券を直接購入
当日券にはセンターコート、No1コート(トッププレイヤー、人気選手や決勝などの試合に使われるコート)を含む全ての試合を見られるショーコートチケットと、No3〜19のコートの試合を見られるグランドチケットがある。当日券を得るために早朝からチケット売り場に並ぶ。
最近では、前日から寝袋持参で並んでいる人が増加中。テントはもちろん、バーベキュー・パーティをしているグループも珍しくない

人気のセンター、No.1コートの当日券は約600枚が(最終日前の4日間を除く毎日)発売されるが、長々と続く列の中では、入手できるのは先頭のホンの一握り。料金は£32〜79、£22〜59、日によって異なる。

No.2コートの当日券は約500枚が毎日発売される。料金は£24〜35、日によって異なる。

グラウンド・チケット(No.3〜19コートの座席とNo.2コートの立見席に利用出来る)は約6000枚が毎日発売。料金は£7〜16、夕方5時以降はさらに割引になる。日によって異なる。

この入場券はセンターコート、第1、第2コート以外の場所を自由に出入りできるもので、もし、センターコートの試合が観たければ、チケット売り場のすぐ近くある、リセール・チケットを買うための列に、もう一度並ぶという方法。このリセールチケットというのは、指定席券(センター、No.1、2のコートは全席指定)を持っている人が、早めに帰るときに、券を専用のBoxに入れ、それをもう一度希望者に売る、というシステム。朝、何時間も並んで、又さらに何時間も並ぶのは大変だけど、すべてに長い列が出来ているウィンブルドン、並ぶのを楽しむくらいの気持ちで気長に行きたいもの。

協会関係者、スポンサーなどへの招待チケット

ウィンブルドンの株主への招待チケット
入手したチケットの再販は認められていないのだが、例外として株主招待チケットのみ再販が認められている。これは配当代わりの意味合いがあるためで、このルートで再販されるチケットは希少価値から極めて高い値段になっている。ウィンブルドンから正規業者として認められているKeithProwseは、株主招待チケットをホテルとのパッケージにして再販している。従って、日本の旅行業者がパッケージにしているのもKiethProwse経由のチケットだ。


No.13コートの2試合目は、杉山選手の出場する試合。1日目のような失敗を二度としないようにと、最高の席を確保するために12:00pmスタートの1試合目から座る。この試合は前日6-2、4-6からのサスペンデットゲーム。早く終わるだろうと思ったが、少し長引き13:33pm、いよいよ試合開始。「杉山サービングプレー!」
Court 13 12.00 noon Start
 2. Ladies' Singles - 4th Rnd.
  Ai Sugiyama (JPN)[11] def. Tamarine Tanasugarn (THA) 6-3 7-5 
素晴らしいプレーを見せてくれた。
杉山選手のプレーを見ているとリズムがあり、相当、体の調子が良さそうで、サービスも安定しており、どんな相手が来ても怖くないといった感じさえする。
「どこまでこの勢いを持続できるか?」が楽しみだ。
杉山選手
対戦相手のタナスガン
試合終了
試合が終わってからヘンマンヒルと言われる丘へ行きセンターコートで行われているヒューイット対モヤの試合を大きなスクリーンで見ながら軽い食事。
次にNo.5コートへ行きミックスダブルスを観る。この試合でも杉山選手は絶好調でパートナーのポールをリードしながらの勝利。
この観戦中センターコートの中から、ものすごいどよめきや、拍手の響きが聞こえてきた
地元ヘンマンとフィリポーシスの死闘が繰り広げられていたようだ
    Tim Henman (GBR)[5] def. Mark Philippoussis (AUS)[11] 6-2 7-5 6-7(3) 7-6(5)
Court 5 11.00 am Start
4. Mixed Doubles - 2nd Rnd.
  Paul Hanley (AUS)
Ai Sugiyama (JPN)
def. Scott Humphries (USA)
Jennifer Capriati (USA)
6-4 6-2 
向こう側杉山組 貫禄ボディーのカプリアティ

6:05pmまだまだ会場に居たかったが次の予定が入っているので、泣く泣く素晴らしいグリーンの芝コートに別れを告げ、2階建てバスに乗りサウスフィールド駅へ行く。
次は、7:30pm開演のミュージカル「オペラ座の怪人」(The PHANTOM of the OPERA)の観劇だ。
日本から用意して行った最高のフォーマル・ウェアーに身を包み、紳士淑女になった気分で舞台を楽しもうと思っていたが、ホテルへ寄って、着替えていたら時間的に間に合わないので、もろ、汗臭い旅行者スタイルで行かざるを得なくなった。嘘ではないよ。
Tubeでアールズ・コート駅へ行き、ピカデリー線に乗り換え、「ハー・マジェスティーズ・シアター」のあるピカデリーサーカス駅へ。
このシアターは、ロンドンに着いた日に、一度、下見をしているので、場所はすぐわかる。「余裕で間に合うだろう」と思っていたが、ちょうど運悪く、子供の人身事故があり、ピカデリーサーカス駅で停まらず、素通りし、次のレスタースクウェアー駅で降ろされる。予定外の出来事で右も左もわからない所で地図を開き、そして、周りの人に聞いたりしながら、結局、30分ぐらい遅れて到着し、途中からの観劇となった。
今、思い起こすと、反対方向のソーホーの繁華街、中華街の門のあたりを必死に駆け抜けていたようだ。そして、途中からシアターに入っていったので、周りの紳士淑女の冷たい視線が、最後まで我々に突き刺ささっていたのは言うまでもない。

「オペラ座の怪人」観劇チケット
ロンドンの多くの劇場で上演されているミュージカルの中でも、横綱級といえば、やはりロングランを続けるアンドリュー・ロイド・ウェーバーの傑作「オペラ座の怪人」だろう。
舞台は19世紀末のパリ・オペラ座。その地下には、天性の音楽才能を持ちながら醜い姿ゆえに人目を避けて暮らす怪人がいた。若手ソプラノ歌手クリスティーヌに恋した怪人が、その苦悩を歌い上げる感動のミュージカルだ。劇場は小さいけどゴージャスで、荘厳な雰囲気。座ったところは1階席の前から7列目、右から3、4番というとても良い席。
セットの美しさ、衣装の豪華さ、舞台転換のすばやさや、シャンデリアが落ちてきたり、突然、怪人が劇場の天井に消えたりと、見事な仕掛けの数々。音楽も、役者の深く、そして高く響く歌声も素晴らしい。特に、終幕のあたりの怪人の演技は感動もの。怪人の愛の切なさが張り裂けそうなくらい歌い上げられ悲しい気持ちが伝わってきて泣いてしまう。
「オペラ座の怪人」の終演時間は22:00。興奮冷めやらぬまま、どこにも寄らず地下鉄に乗り、ホテルに戻る。
汗臭い旅行者スタイル 赤絨毯の敷かれた
こじんまりしたロビー
「ハー・マジェスティーズ・ シアター」をバックに

地下鉄Tubeに乗って気が付いたのだが、ロンドンの乗客は本を読んだり、新聞を見たり、隣の人と会話したりと眠っている人は一人もいない。お国柄なのか、日本はといえば、眠っているか、目をつぶり瞑想にふけっている?人が多いように思われる。
日本人は、働き過ぎで疲れているのだろうか。